こどもとしょかん 171号 秋
781円 2021年10月 →定期購読もできます
●評論 世界文学としてのアラビアンナイト――ガラン版アラジンから考える
西尾哲夫
「空飛ぶじゅうたん」や「船乗りシンドバードの冒険」などで有名なアラビアンナイトは、18世紀にフランス人の東洋学者アントワーヌ・ガランがアラビア語からフランス語に訳して、初めて西欧世界に知られることとなりました。このガラン版を日本語に完訳し、『ガラン版千一夜物語』全6巻(岩波書店)として昨年出版された西尾哲夫氏(国立民族学博物館教授)に、今号はお書きいただきました。ガランの人物像や彼とアラビア語写本との出会いについて、アラビアンナイトの元には口伝えに語られてきた物語(口承文芸)があったこと、グリム兄弟もガラン版から流布した「アラジン」を書き留めていること等々。中東の言語と文化を広く研究されている西尾氏ならではの視点で、アラビアンナイトが「世界文学」へと変貌していく過程を、「アラジン」に焦点をあて考察します。
○巻頭言 本と人、人と人とをつなぐ 坂部 豪
○新潟の本棚から 第22回 真壁伍郎
○この人、この本 作家 遠藤寛子さん
○子どもの読書活動にかかわるみなさまへ 松岡享子
○書評『みんな自分らしくいるためのはじめてのLGBT』『からすが池の魔女』『キセキレイ』
○本の会から 『学校、行かなきゃいけないの?』
○『知識の海へ』寄贈のお願い 杉山きく子
○あなたの声で 愛蔵版おはなしのろうそく12フェア
ほか