2つのことばを生きる子どもたちへ――在日日系ブラジル人の子どもたちへの読書支援活動 2008-2018

東京子ども図書館は、2008 年「日本ブラジル交流年」を機に、日本で暮らす日系ブラジル人の子どもたちへの、読書を通じた支援活動を始めました。
主な活動の場は愛知県豊橋市とその周辺の小学校。おはなし会でブラジルの昔話を語ったり、ブラジルの国土や文化について質問タイムを設けたりして、子どもたちがともに理解を深めていくことを目指しました。このほか、ポルトガル語の解説文を付けた本を贈ること、昔話集の刊行、大人の方たちを対象とした講座などの活動を、2018年まで行なってきました。
この活動の実践については、機関誌「こどもとしょかん」135号（2012年秋）、164号（2020年冬）に、現場の生の声をまじえて報告しています。
このページでは、機関誌の報告には紙幅の都合で載せられなかった活動の詳細を、4つの柱に分けて、掲載いたします。
海外にルーツをもつ子どもたちが身近に増えつつある現在、私たちのささやかな試みをご参考に、このような活動を広げてくださることを願っています。

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ブラジルの昔話を語るお話会

ブラジル人の子どもたちが多い愛知県豊橋市の小学校で、ブラジルの昔話を含めたお話会を行いました。
地元の「豊橋おはなしろうそくの会」にご協力いただき、活動は市内各地へ広がりました。
2015年からは愛知県西保見市、知立市の小学校でもお話会を開催しました。

『ブラジルのむかしばなし』の刊行

お話会を聞いた子どもの「あのお話を本でも読みたい」という声から生まれた、日本語・ポルトガル語併記のお話集です。2011 年に1 集、2013 年に2 、3 集を刊行し、クラスの子どもたち全員に手渡しました。
この昔話集全3巻は、各地域でご活用いただくため、公共図書館・学校図書館へ１セット差し上げています。ご希望の方はご連絡ください。

子どもたちに本を贈るプロジェクト

ブラジル人の子どもたちが多く在籍している学校・団体に、児童書セットをお贈りしました。日本語の習得に苦労している子どもたちが、楽しみながら学べるような絵本を選び、それにポルトガル語の解説をつけたものです。
寄贈した本のリスト、解説文はリンク先をご覧ください。

語り手養成講座・絵本選びの講習会

子どもと本を結ぶには、仲立ちをする大人の存在が欠かせません。地域で活動に取り組む方が増えてくださるよう、講習を行い、公共図書館、学校図書館の司書の方、外国人児童教育相談員、保育士、地域のボランティアの方々が参加してくださいました。

主な活動のあゆみ

＊この活動については、一般社団法人霞会館、一般社団法人昭和会館、一般社団法人東京倶楽部からの助成を受けました。

ブラジルをはじめ、外国にルーツをもつ子どもたちへの読書支援について、どうぞお気軽にお問合せください。