経歴
1957年3月◇神戸女学院大学文学部英文学科卒業
1960年3月◇慶應義塾大学文学部図書館学科卒業
1962年9月◇米国メリーランド州ボルティモア市立イーノック・プラット公共図書館勤務(1963年10月まで)
1963年1月◇ウェスタンミシガン大学大学院図書館学科修士課程修了
1964年6月◇大阪市立中央図書館勤務(1966年7月まで)
1967年6月◇東京都中野区に家庭文庫「松の実文庫」開設
1970年◇ユネスコ・アジア共同出版計画(のちに「ユネスコ・アジア太平洋地域共同出版計画」に改称)中央編集委員(1995年まで)
1974年1月◇(財)東京子ども図書館設立、理事長(2015年6月名誉理事長、現在に至る)
1992年、1994年◇国際アンデルセン賞選考委員
2021年10月◇文化功労者に選出
2022年1月◇逝去
従四位旭日中綬章受彰
◆受賞
1969年5月◇サンケイ児童出版文化賞(『くしゃみくしゃみ天のめぐみ』に対して)
1971年5月◇児童福祉文化賞奨励賞(「ゆかいなヘンリーくんシリーズ」および『とこちゃんはどこ』に対して)
1987年3月◇子ども文庫功労賞
1990年11月◇エイボン女性年度賞教育賞
1993年11月◇博報賞
1997年12月◇日本絵本賞翻訳絵本賞(『ダチョウのくびはなぜながい』に対して)
1999年11月◇巌谷小波文芸賞
2006年4月◇図書館サポートフォーラム賞
2011年5月◇日本児童文芸家協会児童文化功労賞
2016年3月◇神戸女学院大学より名誉学位(教育文化博士)授与
主な活動
1.児童図書館サービスの発展に寄与
自宅に開設した松の実文庫や児童文学者・石井桃子のかつら文庫などを母体に、財団法人東京子ども図書館を設立。子どもたちに本やお話(ストーリーテリング:本を使わずに昔話や短い物語を語ること)を届ける活動の普及に力を注ぎ、人材育成や出版も活発に行いました。
→松岡名誉理事長による当館活動の詳細については、こちらのページもご覧ください。
2.国際的な活動を幅広く行う
児童文学のノーベル賞といわれる国際アンデルセン賞の選考委員を2期務めたほか、数多くの国際会議で基調講演者を務めました。「ユネスコ・アジア太平洋地域共同出版計画」には活動初期から関わり、約25年にわたって日本代表編集委員として、アジアの昔話の採集、翻訳出版を通じて、国際的な文化交流に貢献。在日日系ブラジル人の子どもたちへの読書支援も行ってきました。
3.絵本・児童文学の翻訳・創作、評論を多数執筆
創作に『なぞなぞのすきな女の子』『おふろだいすき』『とこちゃんはどこ』、翻訳に『しろいうさぎとくろいうさぎ』、「パディントンの本」シリーズ等200作を超える児童書を手がけ、『子どもと本』『えほんのせかい こどものせかい』『サンタクロースの部屋』等の研究・評論書も多数。
著訳書のご紹介
当館出版物を中心に、著訳書をまとめました。当館Facebook、Instagramでは、児童書も紹介します。あわせてご覧ください。
レクチャーブックス
『ことばの贈りもの』(レクチャーブックス◆松岡享子の本2)
松岡享子著 1540円 B6判 2009年 ISBN978-4-88569-023-5
子どもがことばを獲得していく姿を検証しながら、そのことばの力を子どもがもち続けるために、おとなはどうすべきかを丁寧に説き明かします。2つの講演録などを収録。
「レクチャーブックス◆お話入門シリーズ」 松岡享子著
お話(ストーリーテリング)についての基本的な問題を取り上げて、ていねいに論じた入門書。詳しくは、レクチャーブックスのページをご覧ください。
おはなしのろうそく1〜32
てのひらにのる小さなお話集。幼児から小学校中・高学年までたのしめる日本や外国の昔話、創作、わらべうた、指遊びなどを数編ずつ収録。1973年刊行開始以来、語りのテキストとして圧倒的な支持を受け、現在までの総発行部数が181万部のロングセラーです。→詳しくはこちら
愛蔵版おはなしのろうそく1〜12
「おはなしのろうそく」の活字を少し大きくし、子ども向きに再編集した小型のハードカバー本です。各巻について詳しくはこちらをご覧ください。 *現在、新刊刊行記念フェアを実施中!
うれしいさん かなしいさん
まつおかきょうこ さく・え 1080円 22×19cm 48ページ 2012年
ISBN 978-4-88569-212-3
松岡享子による、前から読んで、うしろから読んで、まん中で出会う絵本。東日本大震災復興支援のために刊行されました。
機関誌「こどもとしょかん」168・冬号
評論 ことばの力 松岡享子
781円 2021年1月
2015年5月、東京子ども図書館設立40周年記念事業「児童図書館の基本を学ぶ出張講座キャラバン」の一環として、「子ども読書コミュニティプロジェクトみやぎ」と共催でおこなった講演を加筆訂正しました。わたしたちに外から働きかけ、精神をつくってくれる ‟ことばの力” とは? 子どものことばを育てるために大人にできることは? さまざまな書物からの知見を紹介しながら、本を読むことの原点を見つめ直します。コロナ禍でお話会などの活動が制限される今こそ、お読みいただきたい内容です。
機関誌こどもとしょかんについて詳しくはこちら。
他社刊行物
「子どもと本」(岩波新書)
松岡享子著
946円 2015年 ISBN978-4-00431-533-9
長く子どもの読書に関わってきた自らの歩み、家庭での読書、昔話の力、本の選び方、図書館の5つをテーマに、体験と実践に基づいて語ります。
「えほんのせかい こどものせかい」(文春文庫)
松岡享子著
748円 2017年 ISBN978-4-16790-946-8
絵本の選び方、与え方をやさしく具体的に説いた手引書。おかあさんおとうさんや、保育園・幼稚園の先生におすすめします。絵本リスト付き。
「サンタクロースの部屋――子どもと本をめぐって」(こぐま社)
松岡享子著
1760円 2015年 A5変型判 ISBN978-4-77219-058-9
サンタクロースの存在を信じる、子どもの心の中の空間。本やお話が子どもの中に作り上げる世界のすばらしさ、大切さを語りながら、子どもと本が出会うときの、大人の役割を考えます。
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当館の活動理念とご支援のお願い
政治がどう変わろうと、経済にどんな浮き沈みがあろうと、子どもたちは、日々成長しています。
世界が困難な問題を数多く抱えている現在、次代を担う子どもたちには、深く感じ、しっかり考え、きちんと自分を表現し、心の中に、自由に想像力を働かせることのできる世界をもち、文化的背景を異にする人たちとも協調して生きていける人間に育ってもらわねばなりません。そのためには、幼い日に、ことばの力と、想像力を身につけることが何よりも大切です。
ことばは、愛情のしるしであり、あらゆる精神活動の土台です。想像力は、人間を置かれた場所から、より広い世界へはばたかせる翼です。
そして、本は、このふたつの力を育てるもっとも強力な手段です。
公益財団法人東京子ども図書館は、子どもたちが、たのしみのうちに本と出会い、本を、自分を育てる手立てとして、生涯活用することができるようにと願って活動しています。
育ちゆく子どもたちのために、次の時代のよりよい社会のために、わたしたちの活動を支えてください。
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