1974年◇都内で家庭文庫を運営していた石井桃子(かつら文庫)、土屋滋子(土屋児童文庫)らとともに、財団法人東京子ども図書館を設立。理事長に就任。
2010年◇内閣総理大臣より認定され公益財団法人になる。
2015年◇理事長を退任、名誉理事長に就任。
●東京子ども図書館は家庭文庫を母体として生まれた、子どもの本と読書が専門の私立の図書館です。子どもたちへの直接サービスのほかに、「子どもと本の世界で働くおとな」のために資料室の運営、出版、講演・講座の開催、人材育成など幅広い活動を行ってきました。
1.質の高い児童サービスの実践
松岡名誉理事長がアメリカで学んだ専門知識や技能を生かし、児童室や文庫でモデルとなるサービスを実践。丁寧に選んだ良質な蔵書を備え、ひとりひとりの子どもたちと密接に関わりながら本を貸し出したり、絵本の読み聞かせやお話(本を使わずに昔話や短い物語を語ること)を通じて、物語の楽しさを伝えたりすることを大切にしてきました。
2.講演・講座・研修生制度などの人材育成
設立以来もっとも力を注いだのは、物語を耳から楽しむ「お話」の普及。お話を楽しむことから本の世界へといざなうことが目的です。その語り手の養成を設立と同時に開始。お話の名手である松岡名誉理事長を筆頭に、経験豊かな講師陣による指導で1000人以上の語り手を送り出してきました。そのほか、「子どもの図書館講座」や「児童図書館員のための初級研修プログラム」、全国への講師派遣を通じて、子どもと本をつなぐための専門的な知識や技能を広めてきました。
3.当館の活動成果を広くお伝えする出版
機関誌「こどもとしょかん」(季刊)には、松岡享子の連載エッセイ「ランプシェード」を毎号掲載。お話の入門書や講演録「レクチャーブックス」などを刊行するほか、『絵本の庭へ』『物語の森へ』(児童図書館基本蔵書目録)などのブックリストや、語り手のためのお話集「おはなしのろうそく」シリーズなどを多数出版。
4.その他のプロジェクト
社会状況に応じて、「在日日系ブラジル人の子どもたちへの読書支援活動」、「3.11からの出発」「子どもたちに本を贈ろうプロジェクト」などの事業を行いました。東日本大震災復興支援事業「3.11からの出発」では、10年間にわたり松岡名誉理事長が岩手県陸前高田市を訪問、子どもたちにお話や本を届けるほか、新設された子ども図書館の運営に協力しました。
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